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心に残るレストラン 89
  レストランではなく、ローマ、エウルのViale Americaに面した
バールの思い出。たしかViale AmericatoとViale BeethovenかViale
Pasteurかの角だった。すぐ裏に住んでいたので、毎日コーヒーを
飲みに行ったが、小学生くらいの男の子がよくキャッシャーをやっている。
学校に行かないのかと聞いたら、小学校に入って1年目はなんとかうまく
行ったが、2年生の時に2回落第。3年になったら3回落第して4年生に
進めない。一緒に入学した友達達は卒業してしまうし、勉強も好きでは
ないので退学してしまったとのこと。学力は2年生位しかあいのに、
キャッシャーの仕事はちゃんと出来た。今は店を継いで立派にやって
いることだろう。
  ある日曜日、ブラリと店に入っていったらおばあさんが粉を練っている。
聞いたら家族の夕食用にピッツアをこしらえているのだとのこと。
見ているうちに食べたくなって、僕にも一枚くれないかと頼んだが
家族の食事だからと譲ってくれない。なんとか頼み倒して一枚もらったが、
その美味しいこと。今まで食べた中で最高の味だった。聞けば彼女、
ナポリ生まれだとのことだったが、その頃の僕はピッツァの生地はイーストを
入れて一晩寝かすのを知らなかった。家族の食事を取り上げて誠に
済まなかったと悔いている。
by pincopallino2 | 2012-07-28 11:47
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