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物言う像
 ローマ、ナヴォーナ広場からヴィットリオ通りに出る途中のパンタレオ通りに
あまり目立たないが、欠けてどんな形だったかよく分らないような石像がある。
元はヘレニズム時代の彫刻だったそうだが、後でこのあたりの道が雨でぬかって
歩けない時の敷石に使われて暫くは土に埋められて踏づけられていたのを
掘り起こして傍の建物の外側の壁に埋め込んだ。たまたま近くに皮肉屋の
親爺が住んでいたので、彼の名前を取り、パスクイーノと呼ばれるようになった。
そのうちローマっ子達が時の政治や世相を風刺した詩を書いてこの像に貼るように
なったのだそうだ。名前がついたのが先か詩を書いた紙を貼り付けるように
なったのが先かは知らないが、イタリアではStatua Parlante(もの言う像)。
いわば一種の落首板で、今でもたまに貼り付けてあるが、ローマ弁で書いて
あるので、分りづらい。
 こんな落首板かわりに使われた像は昔のローマには方々にあって、今でも
ルクレツィア夫人、ルイジ大修道院長、マルフォリオ、ファッキーノ等幾つかが
残っている。
 因みに僕のブログの題はこのパスクィーノからとった。
by pincopallino2 | 2012-10-30 11:49
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