筆者兄弟とペンギーノ、ブルーノ達との付き合いは2週間位で終わった。
パルティザンとファシスト党員の争いが激しくなり、日本人も車で走行中の
海軍武官や商社マン達が殺されたりするような危険な状況になったので、
新聞記者である自分はともかく、子供達はたまたまメラーノの方面へ移動する
ドイツ軍の輸送部隊の後ろにくっ付いて危険な場所を通り抜けさせようと
考えた小野特派員は子供達に早速の出発を命じる。慌ただしい出発だったが、
玄関の車寄せで見送ってくれているクラーラやペングィーノ、ブルーノ達の
姿が見えなくなるまで、車のリア ウィンドウに額をくっつけて手を振り続けて
いたそうだ。