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トリポリ
 同じ地名がレバノンの方にもあるが、これはリビアのトリポリ。
地中海沿岸の都市で、ベンガジがエジプト寄りなのに対して
西の方、チュニジアに近い。
 リビアのことばかり書いているようだが、リビアは古代ローマの頃から
イタリアとは関係が深く、素晴らしいローマ遺跡が残っている。
不便な所にあるので長い間顧みられなかったり、砂にうずもれていたり
したから、保存状態は良い。
 更に第二次世界大戦の頃はイタリアの植民地だった。
始めて行ったのは43年前のまだ王政の時代。ベンガジではイタリア語が
もう殆ど通じなくなっていたが、トリポリには結構話す人が居て、
イタリア映画も上映されていた。
 ベンガジに比べて大きな都会で洗練されている。海岸の散歩道に
棗椰子が植わっていたが、落ちた実に蝿が群がっている。それを見て
何十年か後チュニジアに行くまで棗椰子の実は食べなかった。
 町の外れがカスバになっていてスーク(市場)があるから中に入ってみた。
汚い店が並び、戦争直後の日本の闇市みたいに色々なものを売っているから
面白がって歩き回っていたら、オジイサンが今剥いだばかりの
血のしたたるような羊の生皮をナイフでぞうりの形に切っていた。
傍にやはり殺したばかりの羊の毛皮が放り出してあって大きな目が
こっちを見ている。その悲しそうな、恨めしそうな眼差しに思わず
ゾッとして、スークから飛び出した。
by pincopallino2 | 2008-08-21 13:51
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