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アリタリア  その1
 アリタリアは先月28日だかの取締役会で、経営状態が悪くて
もうこれ以上やっていけないとの結論に達したとのこと。
 アリタリアのことを知ったのは50年位前だったと思う。
その頃のイタリアにはアリタリア(イタリアの翼)とライ(LAI:イタリア航空)の 
2社の航空会社があったが、事故が続いたので(まさかそのせいではないだろうが)、
合併してアリタリアになった。それからは折からの航空旅行ブームに乗って
ドンドン大きくなった。
 僕が日本航空のローマ駐在員の一人としてアリタリアと接触したのは
46,7年前。当時のアリタリアは素晴らしかった。
 社長は無給だった(交際費は貰っていたかもしれない。経済界の大物だった
ようだから他からの収入も沢山あったのだろう)がヤル気満々。
 営業本部長も傑物で、僕たちが居る前でも社員を怒鳴りつけていたが、
人望厚く、皆から大黒柱と慕われていた。この二人の時代にアリタリアは
大きく伸びていったのだと思う。バンコック、香港経由で日本に乗り入れて
来たのもこの二人の時代で、日本航空と共同運航の形だったが、その時の
アリタリアの社内報には日本航空との提携によって東京線も黒字になると
書いてあった。
 まさに全社一丸となって燃えていたから会社の雰囲気も良かった。
当時の本社はローマの高級住宅地パリオリにあって、社員の誰かが
拾ってきたシェパードを玄関に飼っていて、夜は良い泥棒除けになって
いたが、出社してくる社員がみんな彼の頭を撫でていく微笑ましい光景が
毎朝見られたものだ。
by pincopallino2 | 2008-09-10 13:55
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