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ラクイラの町
 今度の地震に見舞われたラクィラは残念ながら日本では殆ど知られておらず、
今朝貰ったイタリア専門と称する旅行業者からの手紙でも観光的には軽視されて
いるように書いてあるが、歴史の面でも、美術の上でも重要な所で、過去にも
何回か地震に襲われて大きな被害をだしている。
 ラクィラ(L'Aquila)は鷲という意味で、都市名としては珍しく冠詞がついている。
人口7万弱、海抜720メートルの小さな町ながらアブルッツイ州の州都で、
イタリア半島中部、アペニン山脈の中にあり、イタリア半島内での最高峰グラン 
サッソ(Gran sasso:標高2912メートル)から25キロ位しか離れていない。
ローマからは約120キロ。始めての時はローマから山道を越えて行ったものだが、
今は高速道路が出来たから2時間も掛からない。先住民族が住み、ローマ軍も駐屯
していたが、今の町は1240年にシチリア王だったドイツのホーエンシュタウフェン家の
フリードリッヒ世2世(1198/1250)が造ったもの。彼は町造りの際近在の99の村の
人達に協力を頼んだとのことで、それを記念して当時の町は99の区画に分かれ、
砦、広場、教会、噴水も夫々99づつあったと言われている。それらのものは1703年の
大地震を始めとして度重なる地震で殆ど壊れ、今は99の飲み口がある噴水しか残って
いない。但し町の裁判所の鐘楼からは今でも毎夕99回鐘が鳴らされている。教会も
見事なものが沢山あり、ルネッサンス期の美術品も豊富だが、個人的に特に好きなのは
町の外にあるサンタ マリア コッレマッジォ(Santa Maria di Collemaggio)教会。
1540年の建造で、1703年の大地震後立て直されたものだが、白とピンクの石を積み
重ねてバラ窓を三つ持つ正面が素晴らしい。
 お料理も美味しく、ローマ等の大都会にもアブルツィ料理屋が何軒もある。
(なお詳しいことは小生の他のブログ「イタリア友の会ブログ」のイタリア20州案内に
そのうち書くつもりなので参照して欲しい)。
by pincopallino2 | 2009-04-14 14:46
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