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パスクィーノ (ローマの落首板)
 ローマのナヴォーナ広場、ムーア人の噴水がある所からコルソ ヴィットリオ
エマヌエーレの道の方に出た所にブラスキ宮殿がある。4階建てで、正面の入り口に
Museo di Roma(ローマ博物館)と書いた幕が下がっているからすぐ分る。
この建物の裏側にいい加減磨り減ったような彫刻が置いてある。ヘレニズム時代の
作品で、多分ホメーロスのイーリアスに出てくるギリシア神話、殺されたパトロクルスの
死体を守っているメネラオスの像だろうと言われているが、1501年にこの場所に
置かれる前は長い間、中世期の泥道の踏み石に使われていたとかで、こんなに
ボロボロになってしまったのかもしれない。置かれた当時、この辺にパスクィーノ
(Pasquino)というなんでもズケズケものをいう靴直しの親父が住んでいた。
でも法王が直接統治していた当時のローマでは流石に口に出して政治の批判を
することは憚られたので、親父はそれを文書にしてこの石像に貼り付けていた。
ローマっ子達は早速パスクィーノの親父の真似をして、政治や世情を諷刺したものを
文章や詩にしたが、捕まらないように夜来てコッソリ石像に貼り付けると一目散に
逃げて行ったそうだ。さしずめ日本の江戸時代の落首みたいなものだったのだろう。
当局の取り締まりにも関わらず、このような「物言う像」はその後ローマ中に増えて
いったが、今他に残っているのはカンピドリオの丘のマルフォリオのみ。しかしこれも
カピトリウムの博物館の中庭の中になってしまったので、現役はいつの間にか
親父の名前で呼ばれるようになったパスクィーノだけになってしまった。
今でもローマ弁で書かれた詩や散文が貼ってあったりする。
 小生もこれからは色々と悪口や小言も書こうと思うので、ブログのタイトルを
「思いつくままに」から「パスクィーノ」に変えた次第。
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by pincopallino2 | 2007-11-19 15:48 | ブログタイトル | Comments(0)