<   2007年 11月 ( 24 )   > この月の画像一覧
ピエロ デッラ フランチェススカの十字架伝説
 トスカーナ州アレッツォの町のサン フランチェスコ教会では昨日も話した
「妊娠している聖母マリア」を描いたピエロ デッラ フランチェスカの
傑作の一つ「十字架伝説」が見られる。
 但し、伝説自体がかなり複雑なうえ、12にわかれた場面が
不規則に並んでいるので、ただ見ただけでは話しの筋がよく分らない。
この伝説、荒唐無稽と思われるところもあって面白いが、長くなるので、
改めて書くつもり。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-30 11:08
お腹の大きなマリア様
 あと一ヶ月でクリスマスだが、いくら精霊によって身ごもったとはいえ、
臨月近くになった聖母マリアのお腹が膨らまなかった筈はないと、
考えるのは現代人の浅はかさなのだろうか。
 でも、そんな大きくなったお腹をさすっているマリア様のフレスコ画が
イタリアにある。描いたのはルネッサンス時代の巨匠ピエロ デッラ
フランチェスカ。1455年頃の作と言われている。はじめは墓地の
中の教会の壁画だったようだが、今ははずされてトスカーナ州のはずれ、
モンテルキという人口1,900の村の博物館に飾られている。
この博物館の所蔵品はこの一点だけ。娘から母親になろうとしている
マリアの顔は威厳もそなえだして素晴らしい。それにしても
二人の天使が幕を開けて「サア、これが妊娠しているマリアでござい」と
見せているように思えるのは不信心者の僻目なのかもしれない。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-29 11:19
イタリア人気質 15 昔かたぎ
 僕が始めてローマに赴任した頃、イタリアでは電気洗濯機が進んでいて、
日本では絞り機が上についたくらいなのに、全自動だった。
 それなのに馴染みになった主婦はシーツなどを浴槽につけて手洗いしている。
何故だって聞いたら、洗濯機では汚れがきれいに落ちた気がしない。だから
手間がかかり、身体も辛いけれど気のすむように洗っているのだと言っていた。
そんな昔かたぎのイタリア人は今でも沢山残っている。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-28 13:26
夜毎の語らい
 昔ワルシワで世話になったポーランドの女性が日本に来たので、昨夜電話をして彼女の
しっとりした声を聞いていたら、40年以上前に見たロシアの映画を思い出した。
 ロシアのある港町。真夜中近い波止場を数人の若者が歩いている。コンパの帰りか
皆ほろ酔い気分で賑やかだ。そのうち傍の公衆電話から出鱈目な番号を回して電話を掛け、
出たのが男ならすぐ切る。女だったらなるべく長く話しを引き伸ばそうということになった。
賭けに負けて電話を掛ける役になった男が一人一人に思いつくままの数字を言わせて
ダイヤルを回すと出たのが女性の声。「夜遅くすみません。実は友だち達とこんな悪戯を
しているんです」。「マァ、悪い方たちね」と言ったような会話をして電話を切ったが、翌日に
なるとどうしても彼女の魅力ある声が聞きたい。でも電話番号が分らない。昨夜の仲間達に
自分の言った数字を訊いても皆忘れている。言った順番もウロ覚え。何回も間違い電話を
繰り返した挙句、やっと又彼女の声にめぐりあえ、それからは毎晩11時になると電話をし、
声だけの逢う瀬を楽しんでいた。そのうちデイトをすることになったが、彼の乗った電車が
遅れて会えない。そしてお互いの名前も言わない電話だけの会話がまた毎晩続くが、
そのうち話しの内容から彼女は自分と同じ事務所に働いている女性ではないかと思うように
なって、仕事からの帰り道、毎晩のようにデイトをするようになる。でも彼女は11時前になると
必ず家に帰る。彼からの電話を待っているのだ。そんな彼女を家まで送ると彼は近くの
公衆電話に駆けつけて、今度は声だけのデイトを楽しむ。そのうちに彼は彼女に電話している
自分に嫉妬するようになっていく。そしてある晩、いつものように11時前に帰って行く彼女を
送っていった彼は家に入ろうとしている彼女を抱きしめて、電話の主は自分だとうち明ける。
といった筋。原作の小説も映画もソヴィエト時代のものなのに、主義も主張もない。
あるのは甘さだけ。ベッドに寝転がりながら電話をしている彼女の脚がチラリと見えるのが
煽情的だった。愛の告白の為に階段を駆け上がっていくラストシーンも素晴らしい。
白黒の映画だけに霧に霞んだような港の風景もロマンティックで、今まで見た映画の中で
一番好きな作品で、もう一度見たいと思うものの、ソヴィエト映画祭で上映されただけで、
日本では一般公開をしなかったようだ。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-27 15:54
日本人の社会道徳
 読売新聞は昨日も日本人の社会道徳の低下について書いていた。
人に会うとよく、最近の若者の行儀の悪さの話しが出て、これでは
日本もおしまいだなんて言うが、それじゃどうしようということには
ならない。たしかに若い連中の中にはうっかり注意したら暴力を
ふるいそうなのもいるが、前に書いたイタリア人やフランス人の
オバさんたちのように皆で声をあげればこわくはない。
勿論行儀がよい優秀な青少年も沢山居て、目につくのは悪いのばかり
なのかもしれないが、彼らの中にだって注意すれば言う事を聞く者もいる。
こんなふうな社会にしてしまったのは文部科学省がいけないのか、
政治家達が熱心でないのかしらないが、一番責任があるのは
我々大人たちではないだろうか。
 チュニジアは決して豊かな国ではないが、将来を目指して
学校教育に力を入れ、授業料は無料だとのこと。
そのせいか何回行っても小学生から大学生まで不良みたいのに
会ったことがない。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-26 12:56
イタリア人気質 14  躾と教育
 イタリア人は子供好きで、道で可愛い子でも見かけたら傍に寄って行ってキスしたり
する位だから自分の子供への愛情も強く、絶えず写真を持ち歩いているが、躾は厳しい。
殊に父親の権限は絶対で、僕の知る限り上流階級ではさすがに少ないようだが、
庶民の家庭ではお客さんの居る前でも子供にゲンコツをくらわせたりすることがある。
そんな時、母親も一緒に叱って、家族の誰一人として子供をかばってやろうとしない。
でも普段は優しいお父さん、お母さんで、子供も可愛がられていることをよく知って
いるから、悪戯をしたり、行儀ガ悪くて叱られても、自分が悪いんだと自覚するようになる。
彼らは躾は家庭で行うもの、勉強は学校で教えるものと思っているので、最近の
日本の母親のようになにもかも学校の教師におしつけようとなんかしない。
我々も家庭での躾があたり前だったから、悪い奴を評して「親の顔が見てみたい」
なんてよく言ったものだ。                 
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-22 16:05
優先席
 今朝の読売新聞に、電車の優先席に老人や身体の不自由な人が坐れないという記事が
出ていた。僕も脚を悪くして杖を突いているが、優先席は見るからに元気な若者が多い。
見ていると、彼らは新聞にも書いてあるように、一般席がガラガラにすいていても
優先席に坐る。男はだらしない格好で寝るか寝たふりをし、女は化粧をしていたりする。
不思議なことにそんな女の子は化粧をするとかえって醜くなるのは何故なのだろう。
この間も杖をついた男の人が乗ってきて優先席の前に立ったが一杯坐っている若い男は
誰一人として席を譲ろうとしない。暫くしてその男の人はもう立っていられないから
誰か席を代わってくれないかと大きな声で頼んだが、それでも立たない。まん前に坐って
いる若者はコンピューターを見ているのに平気な顔をしている。専用席ではないから
坐っていても良いが、それらしい人が来たら立つのが当然なのに、彼らは優先席に貼って
ある字が読めないし、車内アナウンスも理解できないのかもしれない。大体優先席なんて
あるのが恥ずかしいことだ。僕の若い頃は率先して席を譲るのが当たり前だった。
 10人ばかりの女性を連れてトルコに行った時、イスタンブールで市電に乗ったら、
坐っていた男達が全員立って席を譲ってくれた。我々日本人はこんな時口が重いから
無理かもしれないが、周囲の人が皆で非難すべきだ。スペインのバルセロナから
南フランスのモンペリエまで汽車の一人旅をしていた時、途中から乗ってきた男の人が
僕に席を譲れと言ったら周りの女性達が外国人に席を立てなんて失礼だと言って
口々にその男を非難したことがある。今の日本にはそういう社会的な躾がなくなって
しまったようだ。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-21 12:16
料理屋番付け
 昨日ミシュランの日本版が始めて出た。もともとフランスのタイヤ メイカー、
ミシュランが自動車旅行をする人の為に作り出したものらしく、主要都市の地図が
載っていて、道路には一方交通の標識も書いてあるから便利。表紙が赤いので
赤ミシュランというが、これと緑色の表紙の地図(青ミシュラン)を併用すれば
道に迷うことは殆どない。赤ミシュランには推薦する宿屋や料理店も出ているから、
知らない土地でも泊まれるし、食事も出来る。特にお勧めの店には☆印がついていて、
ホテルは五つ星まであるが、レストランは三つ星が最高。別にフォークとスプーンが
大小一つから五つ付いたりする。当然星の多い店は値段も高くて、我々庶民はなかなか
入れない。赤ミシュランは毎年版を改めるので、今年三ツ星だったレストランが翌年は
二つ星になったり、星のなかったところが一つ星になったりする。
審査は審査員が普通の客に混じって入ってきて、味は勿論のこと、店構えから
サービスまでチェックするそうだから店としては油断が出来ない。赤ミシュランは
ヨーロッパ中殆ど各国のがあるが、それ以外の地域では日本が初めてかもしれない。
ただそれぞれの国の言葉で書いてあるので、言葉が分らないと、便利さが半減する。
それに最近のは昔は載っていたホテルやレストランがなくなったので使いづらくなった。
 赤ミシュランのイタリア版は今から50年前の1957年に出たのが最初らしいが、
イタリアでもレストランの番付けは何冊も出ていて、「赤えび」というのは大体1400の
市町村のレストラン約2800店を紹介。各店ごとに料理が60点、お酒が20点、
サービスが10点、店の雰囲気を10点とそれぞれ満点として、総合点を出し、
特に感じの良かった店には5点までのボーナス点もつけている。
 ラ グイダ ディタリアには約700の市町村の3,000近い店が載っているが、
20点満点の点数が付いている。この本は評価の文章が長い上、文学的で面白く、
料理についての随筆を読んでいるようだ。とはいえ審査は厳しく、トイレをもっと
きれいにしておけと叱られている店もある。高いところだけでなく、気軽に入れて
安く食べられる美味しい店を沢山紹介しているのもありがたい。毎年新しい版を出し、
方々の店の自慢のパスタ料理のレシピと作り方を紹介した年もあった。
この他にもベッリタリアという雑誌が出しているものや、紹介している店は少ないながら
すごく参考になるものもあって、それらを比較しながら読んでいるだけでもお腹が
一杯になってしまう。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-20 14:08
パスクィーノ (ローマの落首板)
 ローマのナヴォーナ広場、ムーア人の噴水がある所からコルソ ヴィットリオ
エマヌエーレの道の方に出た所にブラスキ宮殿がある。4階建てで、正面の入り口に
Museo di Roma(ローマ博物館)と書いた幕が下がっているからすぐ分る。
この建物の裏側にいい加減磨り減ったような彫刻が置いてある。ヘレニズム時代の
作品で、多分ホメーロスのイーリアスに出てくるギリシア神話、殺されたパトロクルスの
死体を守っているメネラオスの像だろうと言われているが、1501年にこの場所に
置かれる前は長い間、中世期の泥道の踏み石に使われていたとかで、こんなに
ボロボロになってしまったのかもしれない。置かれた当時、この辺にパスクィーノ
(Pasquino)というなんでもズケズケものをいう靴直しの親父が住んでいた。
でも法王が直接統治していた当時のローマでは流石に口に出して政治の批判を
することは憚られたので、親父はそれを文書にしてこの石像に貼り付けていた。
ローマっ子達は早速パスクィーノの親父の真似をして、政治や世情を諷刺したものを
文章や詩にしたが、捕まらないように夜来てコッソリ石像に貼り付けると一目散に
逃げて行ったそうだ。さしずめ日本の江戸時代の落首みたいなものだったのだろう。
当局の取り締まりにも関わらず、このような「物言う像」はその後ローマ中に増えて
いったが、今他に残っているのはカンピドリオの丘のマルフォリオのみ。しかしこれも
カピトリウムの博物館の中庭の中になってしまったので、現役はいつの間にか
親父の名前で呼ばれるようになったパスクィーノだけになってしまった。
今でもローマ弁で書かれた詩や散文が貼ってあったりする。
 小生もこれからは色々と悪口や小言も書こうと思うので、ブログのタイトルを
「思いつくままに」から「パスクィーノ」に変えた次第。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-19 15:48 | ブログタイトル
イタリア人のデザイン
 ニーュヨークのあるホテルの改造をイタリアの建築家が請け負った。
出来上がったロビー。元は列柱が2列並んで、部屋を3分し、狭苦しい
感じだったが、彼は片方の列柱をとってしまった。だから部屋が広く見える。
だがよく見ると、壁になにか影が動いている。残した列柱の柱の間に
金魚鉢が吊るしてあって後ろからライトを当てているのだ。
金魚鉢の中には金魚が一匹づつ入っていて、泳ぐにつれて反対側の壁に
千変万化の模様を作る。
 イタリア人が設計した関西空港の搭乗手続きカウンターの上にはモービルが
吊ってあって絶えず動いて色々な形になって、見ていてあきない。
出入り口を人が通るたびに入ってくる空気を利用しているのだ。
 いずれも、イタリア人の思いつきそうなデザインだが、そのイタリアの
建築家達が今注目しているのは、日本の現代建築だ。
勿論古いものにも興味を持っていて、桂離宮の講義をしている大学教授もいる。
[PR]
by pincopallino2 | 2007-11-17 18:28