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大晦日
 今日は大晦日。昼間は明日のお正月の準備に大童だが、夜になると着物を着替えての
年越し。除夜の鐘に混じって初詣での下駄の音が聞えてくるような日本独特の情緒が
たまらなく好きで、年末年始にはなるべく日本に居るようにしている。外国の真似をして
カウントダウンなんて真っ平だ。来る年を待ちわびるのもよいが、過ぎ去っていく年に
良くも悪しくも思い出をこめたい。 
 イタリアの大晦日の夜(シルベストロ聖人に捧げられた日なのでサン シルベストロの
夜という)は賑やかというよりうるさい。真夜中の12時になるとその一年の間に割ったり
壊れたりした瀬戸物を窓から放り出す。僕がローマに住んでいた頃にも禁止令が出て
いたらしいが、そんなことお構いなし。7階、8階の家からも降ってくるから自動車なんて
危なくて走れない。たまたま午後11時半発の東京行きの便があったので空港に行って
いたが、帰りは広い道を選んで、路上に散乱している瀬戸物のかけらを踏まないように
して帰ってきたことがある。散乱しているカケラは翌日の朝の6時にはきれいにはききよめ
られていて、ローマの清掃夫に感心したものだ。
 ナポリでは窓辺で爆竹もあげるから両方の音が入り混じって凄まじかったが、
爆竹の煙が10分ばかりでナポリの町全体を煙幕みたいに覆ったのにも驚いた。
煙はやがてナポリ湾の方にたなびいていったが、泊まったホテルの下の公園で夕方から
話し込んでいた二人の男女。そんな音の狂乱の中でもしっかりと抱き合っていたのを
よく思い出す。彼等が首尾よく結婚していたら、その子供たちがおなじようなことをやって
いるかもしれない。
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by pincopallino2 | 2010-12-31 11:45 | Comments(0)
万里の長城
 昨日書いたサダールからダルマチア地方をアドリア海沿いに南下していくと
ドヴロヴニクより60キロ位手前のペリエシャック半島にストンとマリストンという
二つの村があるが、殆どくっついているので一つの町に見える。
 塩田が沢山あって、このあたりの塩は良質でクロアチアの首都ザグレヴでも
なかなか手に入らないそうだ。牡蠣の養殖でも知られており、海辺に並んだ
レストランでは美味しい魚料理が食べられる。
 マリストンには村から近くの丘にかけて長い保塁があって下からでもよく見える。
紀元1300年台の前半に出来たものだそうで、村の人は世界一の長城だと威張る。
支那の万里の長城のことを話したら、それじゃあヨーロッパ一だと言ったが、
英国にはハドリアネス皇帝の築いた長城があるから、どっちの方が長いか
わからない。
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by pincopallino2 | 2010-12-30 11:28 | Comments(0)
水琴
 クロアチアのアドリア海に沿った都市サダールは
他の沿岸都市と同じ様に面白い歴史に富んだ所だが
岬状になった町の突端の方に行くと妙なる音が
聞こえてくる。波が堤防にぶつかってたてているらしいが、
対岸の灯などを眺めながら聞いているといつまでも
飽きない。夏の夕涼みなどには最高で、ベンチなども
整備されている。
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by pincopallino2 | 2010-12-29 10:40 | Comments(0)
納めの不動
 12月28日はたしか納めの不動だったと思う。
毎月28日がお不動様の縁日だから12月は
その年最後ということで殊に賑あう。
 東京、薬研堀の納めの不動の縁日は3日間
続くが、近くの横山町の問屋が売れ残ったものを
投売りしたりしてたいへんな人出だった。
 10年ばかり前50円出して靴下を10足買ったが、
オマケだよと言ってハンカチも10枚ばかり袋に
入れてくれた。でも最近は露天商が多くなって
面白くなくなった。
 その頃は日本橋の人形町から横山町を通って
行ったものだが、お飾りを飾った問屋街は道も
綺麗に掃き清めてもうお正月の雰囲気。丁稚らしい
男の子達が追羽根をついて情緒満点だった。
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by pincopallino2 | 2010-12-28 10:47 | Comments(2)
パネットーネ
 12月になると自分の家で食べるのか、贈答用にするのか
知らないが、函を抱えた人をよくみかけるようになる
パネットーネはクリスマスに食べるイタリア独特の大型のパンで
背の高いのと低いのがあり、中に果物のシロップ漬けを細かく
賽の目に切ったものなどが入っている。
 元来は肩の低いものだけだったそうで、高いのができたのは
割りあい最近とのこと。パネットーネ用のイースト菌も別に
あるようだ。
 高いのと低いのとでは味も少し異なっているようで、
背の高い方は口に入れるとシパシパした感じ。僕は薄く切って
ジェラート(アイスクリームでは駄目)をかけて食べるのが好きだ。
 クリスマス用のパンだが長持ちするので、古くなったのを 
切って揚げて売ったりしている菓子屋もある。
  パネットーネはアントニオ(略してトニオ) という人が
売り出して大当たりをとったので、トニオのパンという意味
とのことだが真偽の程は分からない。何故クリスマス用の
パンになったのかも知らないので、どなたか教えて欲しい。
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by pincopallino2 | 2010-12-27 11:04 | Comments(0)
ローマのクリスマス
 クリスマスの頃になるとローマのサン ピエトロ寺院の前の広場には
大きなプレセピオが置かれる。カトリックの大本山なのに他には飾り
らしいものがない。クーポラの天辺から八方に垂らした電線に白色光の
電球をつけて夜点灯するだけだが、自宅からも見えて、単純なだけに
とても美しかった。
 12月25日は午前零時から深夜ミサがあがって各教会とも人で立錐の
余地もないくらいに混んでいるが、外は静寂そのもので、ミサを終えた
人々も静かに帰っていく。
 その代わり25日の昼は親戚や知人を呼んでの昼食会。大抵は自宅で、
奥さんがこしらえたご馳走を食べる。
 子供達もこの時にプレゼントをもらうようだが、本来、クリスマスの時は
大人同士の贈答で、子供は1月6日のベファーナの時にもらうのだそうだ。
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by pincopallino2 | 2010-12-26 16:50 | Comments(0)
プレセピオ 4
 プレセピオの旅の終わりは人形ならぬ人間によるキリスト降誕の再現だった。
見に行ったのはピエモンテ州のドリアーニ。人口5千弱の村だがワインの産地と
して有名な所だ。
 キリスト降誕の再現といっても、芝居でやる降誕劇とは異なって村の旧市街
全体が当時のベツレヘムになる。期間はたしか12月の22日より25日までの夜の
4日間だったと思う。23日の晩、泊まっていたアスティのホテルを出て真っ暗な
葡萄畑の中を約40キロ走る。時折農家の窓際に飾ったクリスマスの照明が
暗闇の中に浮かびあがって幻想的だ。
 ドリアーニに着くと近郷近在からの車と人でゴッタ返していて、マイクが
「あわてないでください、皆様がお一人でも残っている限り私たちは続けます
から」と怒鳴っている。
 丘の上の旧市街に登っていくと、そこは別天地。電気は全部消されていて
光は方々の家の壁に突き刺してある松明と満天の星と、道端で栗を焼いている
栗やの焚き火だけ。そんな道をローマ軍団の兵士が二人づつで巡邏している。
家の中をのぞくと、八百屋、肉や、魚やがあり、女占い師もいる。外まで賑やかな
話し声が聞こえてくるのは居酒屋だ。彼等は全部村の人達だが、クリスマスの
時期になると毎晩顔に化粧をし、服装も昔のユダヤ風に着替えて村中がキリストの
生まれた当時のベツレヘムになる。真ん中にひときわ明るいところがあって、
馬小屋。24日の晩になると赤ん坊のキリストが置かれてそこからサーチライトが
天の一角を照らす。
 こんな人間のプレセピオ、最近はやる村が多くなり、洞窟内のプレセピオなどと
ともに信仰を離れた遊びになっていくような気がするが、翌日の24日、帰国の為
朝ホテルを出ようとしたら雪が降り出してまさにホワイト クリスマスだった。
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by pincopallino2 | 2010-12-25 17:50 | Comments(0)
プレセピオ  3.
4,5年前の12月、盛んだと言われる南イタリアでなく、
北イタリアにプレセピオを見るツアーを作ったことがある。
 方々の町に飾られてあるプレセピオを見ながらまづは
オーストリアとの国境ブレンネル峠に近いブレッサノーネへ。
第一次世界大戦までハプスブルグ家のオーストリア領
だったので今でもドイツ語風にブリクセンとも呼ばれている町だ。
 此処の司教区博物館には別棟にプレセピオ博物館があって、
小学生の作った素朴なものから、随分お金をかけたと
思われる立派な作品が数多く並んでいて楽しいが、土地柄
北イタリアやアルプスを越えたドイツのものが多い。
 トリノでは思いがけずプレセピオの大展示会にぶつかった。
常設ではなく、王宮前の広場に仮設のテントをいくつもはったもので
展示品は多く、南米あたりのものもあったから、プレセピオは
世界中に拡がっているらしい。
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by pincopallino2 | 2010-12-24 10:44 | Comments(0)
プレセピオ  2.
プレセピオは南イタリアの方が盛んだと言われ
事実、シチリアのタオルミーナには小さな廃寺ながら
お堂全体がプレセピオになっている教会がある。
ナポリにあるプレセピオは有名で王様が金にあかして
作らせただけにドデカく、村全体なのでキリストが
どこにいるのか分からない位だ。これと同じような
ものをカゼルタの王宮でも見たことがあるが、
ナポリのものをカゼルタに移したのか、それとも全く
別のものなのか知っている人がいたら教えてほしい。
 プレセピオは北の方にもあってオーストリアとの
国境に近いブレッサノーネの司教区博物館には膨大な
数のレセピオがある。ここにはドイツのものも展示されて
いるから、プレセピオの風習はアルプスを越えて広がって
いたのかもしれない。
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by pincopallino2 | 2010-12-23 10:01 | Comments(0)
プレセピオ  1.
今年のクリスマスもあと3日。キリスト教国ではさぞ賑やかなことだろう。
最近はイタリアあたりでもクリスマス ツリーを飾る商店等が多くなったが
クリスマス ツリーは元来雪が沢山降る北欧の方の習慣でイタリアとか
スペインといった暖かいカトリック系の地方ではプレセピオを飾る。
プレセピオについては何回も書いたが、キリスト降誕の場面を人形で再現
したもので、日本で言えばお雛様か5月人形のようなもの。クリスマス近くに
なると各家庭、殊に小さな子供のいる家ではこれを飾って、12月24日の
夜になると真中に赤ちゃんのお人形を置いてキリストの誕生を祝う。
 プレセピオはアッシジの聖フランチェスコが、子供たちにキリストの事跡を
教える為に考案したものだそうで、グレッチョという山の中の村の修道院には
サン フランチェスコ手造りと言われるプレセピオがある。
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by pincopallino2 | 2010-12-22 10:40 | Comments(0)