イタリアン パスタ  続き  マッケローニ
 パスタ(pasta)は元来「練った」というような意味だから、練った粉ということになって
スパゲッティ、マッケローニ、ケーキの生地などの総称として使われる。
 そのうちのマッケローニ(maccheroni:単数ではマッケローネmaccheroneながら
普通複数として使う)は中に穴のあいているパスタで、昔は良く食べたものだが最近は
見かけることが少なくなった。もう何十年も前、ある銀行で出していた一口メモに
マカロニとは「アーなんと美味しいものヨ」という意味だと書いてあったが、これは嘘。
イタリアの辞書を見ても語源は定かでないということで、多分ギリシア語からきた
言葉だろうということだ。穴があいているのは多分早く茹でる為だと思うが、
今みたいに機械であける前はどうしていたんだろうと不思議に思っていたところ、
ある中華料理店の親父がヒントをくれた。
 南中国で、ラードを芯にして巻いている麺をみたそうだ。お湯に入れればラードが
溶けて穴が残るわけ。
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# by pincopallino2 | 2007-10-16 11:11
イタリアン パスタ  (スパゲッティ )
スパゲッティ(spaghetti)の語源は紐(spago)からきている
らしい。細いの太いのと色々あるが、個人的には乾麺の太めのが
好み。
メイカーも沢山あるがイタリアに居る頃から食べなれていたせいか、
フェデリチの1.9ミリ位のをアルデンテに茹でたのが舌触りもよくて
一番美味しく思う。
 今は細めが流行のようで、早く茹るせいかレストランでもたいてい
細いのをだすが、昔はイタリアでスパゲッティを注文すると
20分位待ってもらうことになるがそれでも良いかとよく訊かれた
ものだ。太いから茹でるのに時間が掛り、そのうちにスパゲッティ
自体の旨さが中からにじみ出てきて、食べると口の中に広がる。
 噛んでみて真ん中に芯が柔らかくなりだした時に取り出して
お湯を切り、スーゴ(sugo:ソース)を乗せたり、まぶしたりして
食卓に持ってくると丁度シコシコとした歯ごたえのあるアルデンテ
(al dente=歯)になる。日本のレストランでは硬くて芯が残って
いるようなのを出して、硬いよというと「これがアルデンテ」だと
云われる事があるが、調理人自体が知らないのかもしれない。
 スパゲッティは元来イタリアのものだから、イタリアの硬水に
イタリアの岩塩を入れたお湯で茹でるのが一番美味しいのだと
思う。
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# by pincopallino2 | 2007-10-15 11:38
イタリアの生ハム  続き  クラテッロ
 随分昔生ハムの産地で有名なパルマで、クラテッロ(culatello)の方が美味しいよと
教わったことがある。本物に出会ったのはそれから数年後。パルマの北北西、
クレモーナに近いポ川の畔だった。このあたりがクラテッロの本場なのだそうだ。
川べりの瀟洒なレストランに行ったら、食事をする前にクラテッロを作っているところを
見せてくれた。原料は生ハムと同じ豚の腰肉だが、最初から骨を抜き取ってしまうので
生ハムより小さくてみすぼらしい感じ。薄暗くて埃だらけの小屋のあちこちに吊るして
乾燥させている。表面にカビが生えたり、埃がついたりしていて一見食べものとは
思われない。乾燥する前に馬の小便をなすりつけるという話しも聞いたが、これは
嘘らしい。ところがその後レストランで切ったものを食べるとすこぶる美味しい。
但しパルマの生ハムとどちらが良いかということになるとその人の好みだと思う。
 クラテッロはこんな昔風の作り方でなくて、近代的な設備の整った場所で衛生面に
気をつけて生産しているところもあり、日本にも輸出しているようだ。
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# by pincopallino2 | 2007-10-13 14:09
イタリアの生ハム  続き
 昨日のチンタ セネーゼに続いて生ハム(プロシゥット:prosciutto)の話し。
生ハムはスペインのものも有名で、ハモン(jamon)と言い、さいころ状に小さく切って
食べることが多いようだが、イタリアは薄く切るのが普通。
今は機械で切ることが多いが、昔は台に固定して、左右に柄のついた半月風の包丁で
切っていた。但し切り落としなどをスープの出汁用に使う時はそのまま鍋に突っ込む。
生ハムは豚の後ろの左右の腰あたりの肉で作る。だから1頭の豚から2つしかとれない。
まづよく洗って塩漬けにし、しばらくおいたら塩を全部洗い流してもう一度塩ずけにし、さらに
その塩をとってから吊るしておくのだったと思う。吊るしておくのは1年だったか
それ以上だったか忘れてしまった。吊るしておくうちに中から脂が滴り落ちてくるが、
その脂が出なくなってから国の検査を受け、合格したら国家検査終了の刻印を押して
もらって出荷となる。検査の時には馬の骨で作った針を突き刺して中が腐っていないか
どうかまで調べる。
 生ハムはイタリア各地で自家用に作っているが、小生の知るかぎり、パルマ(実際の
産地はパルマから20キロばかり西によったランギラーノという村)とヴェネツィアの
東北にあたるサン ダニエーレのものが有名。個人的な趣向ながらサン ダニエーレの
ハムは切った途端の香りは素晴らしいが、味はパルマ産の方が好き。
 生ハムの製造は近頃衛生的にとても厳しくなった為共同組合や会社をつくって近代的な
工場で生産し、原料の豚も厳選しているが、40年以上前はじめてランギラーノに
行った時は各農家の窓に吊るして干していたものだ。リグリアの海から吹いてくる
塩気を含んだ風がアペニン山脈を越える時に湿気を落としてくるのにあてるのが
一番良いのだと土地の人が言っていた。
 そのランギラーノで目の前で切ってもらって食べた生ハムの味はいまだに忘れられない。
それに近いものはランギラーノ隣村で今でも食べられる。宿屋と雑貨やを兼ねた
レストランだか、生ハムとパルミッジャーノ チーズの塊、サラダとワインで充分堪能できる。
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# by pincopallino2 | 2007-10-12 14:49
イタリアの豚  チンタ セネーゼ
 日本では今スペインのイベリコ豚が流行っているようだが、
かってスペインのセゴヴィアで食べた子豚の丸焼きは美味だった。
 イタリアにも素晴らしい豚がいる。その一つチンタ セネーゼ
cinta seneseは名前のごとくトスカーナ州のシェーナ付近の原産で、
背中のあたりに丸く輪になった模様があるのでcinta(輪が巻きついた)と
呼ばれる。一時は絶滅に近い状態になったのを復活させたのだそうだ。
この豚の生ハムはすこぶる美味しい。あぶらみが日本の松阪牛のように
肉の間に霜降りになっているが、細かいのでちょっと見ただけではわからない。
しかもその油身の溶ける温度が低いから食べたとたんに溶けてなんともいえない
味と香りが口の中に広がる。トルタ フリッタ(torta fritta = 印度料理のナンのように
薄くしたパンを揚げたもの。パルマやサン ダニエーレなどの生ハムもこれと
一緒に食べるとおいしい)に挟んで食べると最高の味。
 残念ながらこのチンタ セネーゼの生ハム、日本に輸入されているものの
まだ知られていないせいか数が少ないので手に入りにくい。
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# by pincopallino2 | 2007-10-11 11:17
イタリアの茸  続き トリフ
 イタリア語ではタルトゥッフィ(Tartuffi 単数でいうならタルトゥッフォTartuffo)。 
フォアグラやキャビアと並んで世界の三大珍味といわれている。
 地中に生える茸で、白と黒の2種類があるが、白の方が風味があって、香りも強く、
値段も高い。
 黒は5月か6月頃と秋、白は10月から11月が収穫期といわれているが、トリフラウ
(トリフ採り:ピエモンテ地方の方言かもしれない)に聞くと9月から翌年の1月、場合に
よっては3月頃迄採れると言う。
 フランスとイタリアの特産みたいに思われていて、フランスでは南のラング ドック
地方やピレネー山脈近くが中心のようだが黒が主体とのこと。
 イタリアではピエモンテ州のランゲ地方が主産地で、黒は中部のウンブリア州でも
採れる。
 知らなかったがクロアチアのイストリア半島でも沢山採れて値段も安い。
大体世界中に生えて日本にもあるが、小さいので気がつかないのだと言う人もいる。
最近は養殖も可能になったようだ。
 地中に生えるので匂いを頼りにフランスでは豚、イタリアでは犬を使って探させる。
豚の好物なので、うっかりすると食べられてしまうからフランスでも最近は犬に代えて
いると聞いた。但し犬も匂いを覚えさせる為くずのトリフをやっているうちに好きになって
食べてしまう。
 トリフの収穫はイタリアで2度程見たが、犬を放すとそこいら中を嗅ぎまわり、やがて
夢中になって穴を掘り出す。その時掘上げた土の中から犬に取られる前に瞬間的に
トリフをつかみ出すのだが、素人が見ているとどれもが土の塊に見えてわかりにくい。
 トリフはでき易い所があって、トリフラウは見つけると、子供にも教えないのだそうだ。
彼らは真夜中に出かける。採れる場所を仲間に知られない為だ。
 そんなトリフ。ある種の木の根に出来るのだそうだが、一晩で大人のこぶし大にまで
成長すると聞かされてビックリ。そのくらいの大きさの白トリフをミラノの食料品店で
70万円位で売っているのをみたことがある。
 トリフの味はにら、にんにくその他臭い野菜を全部いっしょくたにしたような味と匂い。
だから食べた後も匂って、その息をわざと人に吹き付けるきざな奴もいる。
 薄く切ったものをスパゲッティにかけて食べてもうまいが、オムレツの上にのせるのが
最高。
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# by pincopallino2 | 2007-10-10 14:16
イタリアの茸  続き  オーヴォリ
 単数形ではオーヴォロ(Ovolo)。日本語でもイタリア語と同じくタマゴダケと言うのだそうだ。
名前のごとく卵の黄身のような色をしている。数が少ないせいか珍重視されていて値段も高い。
サラダにして生のまま食べることが多いようだが、洗っては風味が落ちるということなので、
採ったままだからたまに口の中で砂がジャリっということがある。
イタリアではポルチーニより美味しいという人が多いが、それほどとは思えない。
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# by pincopallino2 | 2007-10-09 10:31
イタリアのきのこ  ポルチーニ
 イタリアにもきのこはフンギといっていっぱい生えるが、特に有名で日本でも知られて
いるのがポルチーニ。その年の気候によるものの、8月の終わり頃から遅い所では11月の
始めにかけてイタリア中に生える。一番良いのはトスカーナ産だといわれている。
イタリア半島南端のカラブリア州のものは形が大きくて名前も違う。ポルチーニより
美味しいと土地の人は自慢するが、似たようなものだ。
香りがよくて言はば日本の松茸みたいなものだが、松茸とは違う匂いで、舌ざわりも
シャキシャキしていなく、椎茸に近い。8月の末頃雨が降ってそのあとお天気の日が
二、三日続くと赤松に似た木の根元にいっせいに生えてくるとのこと。
採りたてを生のままサラダにして食べると美味しい。でも僕は柄を取って傘の部分に
タレをつけ、炭火で焼いたのが好きだ。この際焦がしたら味が半減してしまう。
だからレストランで食べる時は注文してから30分くらいは待たされる覚悟をした方が良い。
つけるタレも店によって違う。僕が好きでよく通ったのはミラノにあるトスカーナ料理の
トラットリア。
 ポルチーニは椎茸みたいに乾燥しても美味しい。これでパスタ殊にリゾットをこしらえると
最高の味になる。この場合形の良いものよりくずみたいなものの方が味がよくでるようだ。
料理する時は戻した水を使うこと。汚らしい色だといって捨ててはいけない。
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# by pincopallino2 | 2007-10-06 11:22
蝉と虫
 少し涼しくなったらついこの間迄鳴いていた蝉や虫の声が聞こえなくなってさびしい。
9月の昼間は蝉、夜は草むらで虫が鳴いて楽しい季節だった。
 世界中を歩いたわけではないし、行っても夏でなかったところも多いから全部を
知っているわけではないが、日本の蝉の鳴き声は素晴らしい。
油蝉、クマ蝉、ミンミン蝉、ツクツク法師、ヒグラシと色々な種類が声を張り上げる。
ヨーロッパやその周辺では電信柱の上の変圧器が壊れたような声だし、
アメリカでは救急車でもきたのじゃないかと間違えるくらい。
種類も少なそうだ。ニューヨークに住んでいる友人が懐かしがったので
日本の蝉の声を録音して送ってやったことがある。
欧米の文学作品に蝉があまり登場しないのもあたり前だと思う。
 夜の虫はアスファルト舗装の都会では聞こえない。
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# by pincopallino2 | 2007-10-05 18:31
ピッツァ (イタリアン ピッツァ)
 一番おいしかったのはローマ、エウルにあるバールのおばあさんが作ってくれたもの。
ナポリ生まれだそうで、自分たちの夕食用のものを分けてもらったのだが、45年前の味
いまだに忘れられない。
 トスカーナ、フィレンツェの北の方にコンスーマ(Consuma)という村がある。
此処の街道筋のピッツァ タリアータ(Pizza tagliata=大きなピッツァを切った物)の店は
日本の昔の駄菓子屋みたいな構えだが、いろんなトッピング(上に乗せた具)のものを
売っていて、そのどれもが素晴らしく旨い。テイク アウト専門なので買って近くの
景色抜群の山でトスカーナの平野を見下ろしながら食べると最高。フィレンツェあたり
からもワザワザ買いに来るそうだ。たしか日曜日は休業。
 ミラノの近く、カーレースで有名なモンツァ(Monza)のその名もラ ピッツェリア
(La Pizzeria)。ミラノ風ピッツァと名づけているが、なにを食べても絶品。
住宅街にあるのでわかりにくい。
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# by pincopallino2 | 2007-10-04 13:17
ピノッキオの公園
 45年程前、フィレンツェの北の方を車で走っている途中、偶然変な公園の前に出た。
なんだろうと思って見たらピノッキオの公園とのことで、くじらの形に刈り込んだ木があって中に
もぐりこめたり、小さな家の窓から覗くと可愛いお姫様がベッドに寝ていたりしている。
確かその頃は無料では入れたと思うが、最近はきれいに整備された代わりに有料となった。
 公園のある場所はコッローディ(Collodi).童話のピノッキオの作者と同じ名前だが、
コッローディはペン ネイムで、本当の名前はカルロ ロレンツィーニ(Carlo Lorenzini)と
いう。彼のお母さんの実家があって、幼い時分、夏休みによく遊んだ思い出深い所なので
筆名にしたのだそうだ。
 ピノッキオは世界中の子供に読まれていて、僕も小学生の頃、もう一冊の有名なイタリアの
童話、エドモンド デ アミーチス(Edmondo De Amicis)のクオーレ(Cuore)とあわせて
繰り返し読んだものだ。
 でも今のイタリアの子供達にはヴァンバ(Vamba)という人が書いた抱腹絶倒の話しのほうが
人気があるらしい。それともう一つはエミーリオ サルガリ(Emilio Sargali)の海賊物
シリーズ。但し僕がローマに住んでいた40年位前のことだから、今の子供の好みは変わって
いるかもしれない。
 なおピノッキオの公園の前にはガルツォーニ荘(Villa Garzoni)という美しいトスカーナ式の
庭園を持つイタリア ルネッサンスを代表する館(やかた)が建っている。
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# by pincopallino2 | 2007-10-03 16:51
簡単な自己紹介
 今にして思えば第二次世界大戦が終わる1年前。
三国枢軸同盟の仲間だったイタリアがいち早く
負けたうえ、米英側について日本に宣戦を布告し、
日本中がイタリアの悪口を言っていた。
 そんな怨嗟の声を聞いているうちにイタリアのことを
知ってみたくなったのが旧制中学の5年生で、17歳の時。
早速東京の九段にあるイタリア文化会館に行って
イタリア語の講習を受けたら面白くなって、
とうとう東京外語に入ってしまった。
だからイタリアの勉強を始めたのは随分と天邪鬼的な
動機からだが、さて実際に学んで見るとイタリアという国。
歴史、美術、音楽その他あらゆる部門にわたって奥が深いのに驚嘆。
ついついのめりこんで一生就かず離れずの生活を送ってしまった。
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# by pincopallino2 | 2007-10-02 18:47 | ごあいさつ
ブログ再開のご挨拶
 前に「懐旧のイタリア料理」という題で書いていたけれど、1年位前から開店休業の状態。
10月1日を機に、今度はイタリア料理に限らず、何でも思い出したことを話してみようと思う。
中には前のと重複するものも多々あるだろうが、なにぶん80男のことゆえ乞ご容赦。
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# by pincopallino2 | 2007-10-01 14:46 | ごあいさつ