時期的にはまだ若干早いかもしれないが、
今頃になるとネミの苺を思い出す。
ネミはローマの南西、カステッリ ロマーニの
地方の町(村)で、ネミ湖の畔にある。
丸い形をした湖で、湖底からネロが舟遊びをした船が
出てきた。船といっても水の上に浮かべて宴会を
するだけだから、湖状にそった丸い形をしていて、
巨大な鍋蓋みたい。湖の中にあれば助かったものの
引き揚げて博物館だかに飾っておいたら、
第2次゙世界大戦中爆撃にあって燃えてしまった。
だから今あるのはそのレプリカ。
ネミの村は野苺の産地で、季節になると道端で
沢山売っている。野苺は普通フラーゴラ ディ ボスコ
(藪苺)と云って他の地にもあるが、僕たちはネミの苺と
呼んでよく買いに行ったものだ。
小指の先ほどの小ささで、食べると種がブツブツするが、
芳香が口いっぱいにひろがる。
生クリームを乗せて食べるが、ザラメを掛けたうえに
赤ワインをそそいでもおいしい。