50年近く前、リスボンに始めて行った時のこと。
家族旅行だったので、あるレストランに入り、夕食に
名物料理を食べていたら、薄暗い店内の一隅が
急に明るくなり、腹に響くようなポルトガル ギターの
音が聞こえてきた。見ると人が出てきてファドを
歌いだす。2曲位歌うと引っ込んで照明も消えてしまう。
暫くすると違う歌手が出てきて2曲歌うと居なくなる。
次々に違う歌手が歌うが夫々に味があって、食事が
終わってもしばらく聞きほれていたことがあった。
その頃のリスボンは白壁がうす汚れていて
なんとなく貧しい感じがし、一種の雰囲気が漂って
いたものだ。