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ローマでの独り暮らし  その五
 借りた家の窓の外は大きな広場で、平日の午前中は青空市場が出る。
野菜、果物、肉、魚、チーズ、ハム、ソーセイジ類を始めとしてと食料品は
何でも揃い、同じものを売っている店も何軒もある。食料品ばかりでなく、
衣類、家庭用品何でも売っているから便利だ。2,3分歩いたところに
デパートがあるのだが、殆どの人が市場で買い物をする。食料品などは
市場の方が新鮮で安いからだろうと思うが、こんなことでデパートは経営が
成り立つのだろうかと他人事ながら心配になった。建物の2階だし、
僕の寝ている枕元は丁度野菜や果物の売り場で、朝5時頃から近郊の
お百姓さん達が品物を持ってきて店開きの準備をするから、なれないうちは
うるさくて寝られなかった。
 まだ日本人が珍しい頃だから、そのうち皆と顔なじみになって、朝出勤する
時には方々からジャッポネーゼと声がかかる。
 家は家具、食器つきで借りているから自炊もできるが、面倒なので殆ど外食。
市場で買うのはせいぜい果物くらいだった。2階の部屋から果物やに声を掛けて
上から紐のついたざるにお金を入れておろし、品物とおつりを入れてもらうのだが
「オマケしておいたよ」とどなる彼等の声をいまだに懐かしく思い出す。
by pincopallino2 | 2010-08-30 10:38
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