フィアット 500    3.
なにしろ実地運転の練習は路上だから何処でも走れる。
お陰でローマの地理を覚えるのに随分役立った。
 ある暑い日、先生が水を飲みに行こうと言う。
それならばとバールの前で停めようとしたら、湧き水を
飲みに行くのだということで、ローマの町外れ迄行った。
見ると岩の間から水がチョロチョロと出ている。まづ
先生が岩に口をつけて飲んでから、僕にも勧めるから
先生と同じようにして飲んだら、まさにミネラル ウォーターで、
生温かったが、かすかに炭酸の味がした。
 そのうち先生がせめて一回位は学科の講義にも出ろと言いだした。
毎日先生が車で送り迎えをしてくれてそのまま路上練習だし、
学校への入学手続きはイタリア人の同僚がやってくれたので
どこに学校があるのかも知らない。学科の講義は夜だとのことなので
場所を教わって行ったら裏通りの商店街の中。狭い間口の
部屋が一つあるだけで、若いのと中年の女性が居るだけ。
中年の女性が校長先生だった。外から丸見えの部屋の中では
20人ばかりの男女が椅子に坐って男の先生の講義を聴いていたが、
満員で坐る椅子もないので帰ってきてしまった。以来学校には
行かず、講義は一回も聴いていない。  
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by pincopallino2 | 2010-09-28 10:44
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