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心に残るレストラン 100
シチリア島のド真中にある円形のペルグーサ湖の畔には穴が開いていて地獄に通じて
いるのだそうだ。ゼウスが伯父の巨人達と派手な立ち回りをやった時、周りの大地が振動
したので地獄で惰眠をむさぼっていた地獄の神様プルータスは慌ててこの穴から飛び出して
「一体何が起きたんだ」と叫びながら世界中を走り回ったが、その時ゼウスの妹の
プロセルピーナを見て一目惚れ。そのまま地獄に連れ帰ってしまった。急に妹が居なくなった
ゼウスは大慌て。八方手を尽くして探した結果、さらわれて地獄にいることが判明したが、
プルートスは返そうとしない。スッタモンダの交渉のあげくやっと承知させたが、この時
プロセルピーナは地獄で無花果の実を一つ食べてしまっていた。地獄で食べ物を口にした者は
この世に戻れないという掟があるので、そこを何とかと頼むゼウスと駄目だと言い張る
プルータスとの間にまたまた長談義。やっと地獄で食べたのは無花果の実一つだけだからと
いうことで、プロセルピーナは一日の半分をこの世で、あとの半分はあの世で暮らすことで
落着。それ以来プロセルピーナがこの世にいる時は昼。地獄に居る時は夜になったのだそうだ。
土地の人はこの穴の前を通る時、ワインを持って行って一滴地面にたらしてプルートスに供える。
  そんな伝説のある湖の傍にある焼き肉レストラン。2階はちゃんとした建物だが一階は
トタン張りのような店。親爺が表の炭火で焼く肉は最高の味。惹かれてよく行ったものだ。
  なおペルグーサ湖は殆どマン丸のせいかカーサーキットができてしまった。車の轟音で
プルートスも安閑として寝ていられないだろう。
by pincopallino2 | 2012-08-09 12:27
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