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逃げまどうイタリア在留邦人  第2次世界大戦秘話 5
  家内の思い出。彼女とその家族の逃避行は比較的恵まれていたようだ。
ローマのサンタ チェチリア国立音楽学校でピアノを勉強していた家内は
米軍がローマ目指して進軍してくるのを見て、単身ローマを脱出。列車で
北イタリア、オーストリアとの国境近くのメラーノに向かった。駅で見送ったのは
まだローマに残っていた父親だけ。母親と妹は先にメラーノに疎開していた。
 ローマから約670キロ。途中での乗り換えがあるものの、今なら7時間半位で
行けるが、半世紀前のことだし、戦争中でもあるのでもっと掛っただろう。
途中で敵軍の爆撃にあったのでさらに遅れ、メラーノについたのは真夜中近く。
まだ子供に近い女の子が外人の中での一人旅。さぞ心細かったことと思う。
駅まで迎えに来てくれていた疎開先のホテルの人に連れられて真っ暗な夜道を
歩いていったが、その間右の耳に川のせせらぎの音が聞こえていた由。
10年ほど前二人でそのホテルを再訪した時、ホテルの名前は変わっていたが、
そのせせらぎの音を頼りに見つけることが出来た。
by pincopallino2 | 2008-12-01 14:23
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