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日本人逃避行 27  パリの米軍監房
〔5月20日の続き)
  まだ夜の飽けきらぬ4時半前に他の監房の囚人に先立って起床を命ぜられ、3名づつ
監房から出て、土間の出口近くにある洗面所に連行され、6分乃至7分の間に備え付けの
安全剃刀で髭を剃り、洗顔することを命ぜられた。その間2,3名の看守兵が自動小銃に
実弾を装填して、銃口を洗顔している者の背後に向けて時々大声でせきたてた。監房に
戻ると中に入る前に一々衣類の外を叩いて身体検査をした。起床後は毛布を折りたたんで
整頓し、それ以後は横になることを許されないので、コンクリートの台に腰をおろすか、
立っているほかなかった。勿論監視兵の目を盗んで腰かけたまま上体を後に倒している
ことも多かった。監房の外の土間に面して、我々の監房と並んで大小の監房が約10室
あり、それらの監房の前の通路兼広場を挟んだ向かい側は約20メートルの高さの
コンクリート塀が聳え立ち、その塀と監房の屋根の上には鉄条網が二重三重に張り
めぐらされていた。
by pincopallino2 | 2009-03-13 10:46
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