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日本人逃避行 29
 入牢数日後、W氏が2月に手術した盲腸の癒着部が、避難旅行の過労からか
化膿して痛んだので手当てを訴えたところ、2,3日して営倉から連れ出され、
広い営庭を横切った奥の兵舎内の医務室で治療を受けた。(その時の注射は
多分ぺニシリンであったと思われる)。
 その時始めて見る監房の外は、2階建ての兵舎の幾棟かに囲まれた中が
広い営庭で、日本の陸軍の兵舎そのままの感じ。我々の監房は営門事務所に
近い重営倉であることをはっきり確認した。営庭では囚人服を着て頭を丸刈りに
100人程の囚人(殆どが黒人)が、拡声器から流れるアメリカの行進曲と
指揮官の掛け声で行進の訓練中であったので、監房内に早朝から聞こえる
音楽の正体を知った。
(続く:退屈かもしれないが、当時の米軍の監獄の様子と米兵の日本人
非戦闘員に対する態度が克明に書かれているので、続けることにする)
by pincopallino2 | 2009-03-17 11:05
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