ある夏のこと。ローマ近くの海岸で甲羅を干していたらなんとなく騒がしい。
まわりの人達と一緒に行ってみたら、15か16才位の少年が数人 沢山の人に囲まれて立っている。皆不良っぽい。 おばさんがわめいているのを聞くと、海水浴場のレストランで弁当を買う列に 割り込もうとしたのだそうだ。 まづおばさんが見つけて怒鳴りだし、他の人々もその連中をつまみだしたが、 そこは物見高いイタリア人のこと。次から次へと人ガ集まってきて取り囲み、 口々にこんな悪いことをしたんだと話し合っている。見世物みたいになった 不良達はさすがにいたたまれなくなってコソコソと逃げ出した。 一見なんでもないようなことだが、イタリア人はしつけに関して案外厳しいし、 口に出して非難する。あとで仕返しされるなんてあんまり考えないようだ。 我々も見習うべきではないだろうか。さもないと悪い連中はますます増長して 日本の社会はもっと悪くなっていく。 しつけが悪いと親の顔が見てみたいとはよく言われる言葉だが、 しつけは家庭で行うもの、勉強は学校で教えるものとは イタリアに限らず、どこの国でも常識だと思う。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-31 14:57
イタリアの老人はおしゃれで格好いいとよく云われるけれど、
彼らは子供の時からおしゃれなんだ。ただ若いうちはお金が ないから高い服や装飾品を買えないだけ。それでも安い物を うまく着こなしている。 ローマで服飾品の会社を経営していた日本人の女性が 部下の若い男女一人づつにかなりの額のお金を渡して これで好きな服を買って着て来いと云ったことがある。 一週間後に颯爽とした格好で現れた彼らは二人とも 素晴らしいアンサンブル姿だったが、自分に合ったものを選んで、 所謂ブランド物は一点もなかったそうだ。 ある田舎の町のお祭りの時、ちょっとヤクザッポイ若者が ガールフレンドを連れてやって来たが、道端のタンポポの花が終わって 種を付けた毛だけになっているのを見ると、ふとしゃがんで 茎から折り取り、そっと胸につけた。 黒い上着に大きな花火が開いたようで見事だったが、 そういうセンスはイタリア人独特のものかもしれない。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-30 11:46
ある日本人の女性旅行者が笑っていた。
ローマの町を一人で歩いているとイタリア人の男が次々と声をかけてくる。 話しのきっかけで一番多いのは時間を聞いてくることだそうだ。 はじめのうちは腕時計を見ながら丁寧に教えていたが、しまいに 面倒くさくなって、あそこの時計を見ろとどなったら、「だってイタリアの時計は みんな狂っているんだもん」と答えた由。 昔、イタリアの大きな都会の中心部には方々に大きな時計があったが、 まともに時を刻んでいるのは皆無に近かった。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-29 14:58
イタリアの男は女好きだといわれるが、
昔イタリアのテレヴィでこんな隠し撮りを見たことがある。 グラマーな女性に道を歩かせて方々の国の男とすれちがわさせる。 まづはイタリア人。遠くの方から穴の開くように見つめっぱなしで、 すれ違う時は彼女の顔を覗きこむ。露骨だがそんなこと構いはしない。 通り過ぎても振り返ったまま歩いて、置いてあったバケツにつまづいた。 次はフランス人。すれ違った時にチラッと顔を見て、後は一度振り返っただけ。 最後に来たのは一見紳士風のイギリス人。遠くから見てもいず、知らん顔をして 通りすぎて、そのまま行ってしまうのかと思っていたら、しばらく行ってから振り返った。 どこの国の男でも同じ。ヤッパリ女性に興味があるのだが、イタリア人は その点、あけっぴろげなだけだ。 ある日本の女性がローマの繁華街を歩いていたら、道端で仕事をしていた ペンキ屋が彼女に見とれて梯子の上からペンキの入れ物を落としてしまった ことがある。おかげで道路はペンキだらけ。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-28 14:42
台風が近づいているとのことで今日は雨が降っている。
その昔、ローマに住んでいた頃の雨の晩の思い出。 勤めの帰り、急に降り出した雨を避けてバスに乗ったら、 若い男女が相合傘のまま座席に坐っている。 天井からひどい雨漏りがしているのだ。 本人達は平気で、まわりの客も笑ってみている。 車掌もゲラゲラ笑っているだけ。ごめんなさいとも云わない。 おかげで、陰鬱な雨の夜なのにバスの車内は明るく 陽気になっている。 日本では考えられない光景だった。 イタリアの男は陽気で、食べることと遊ぶことが好き、 ついでに女も大好きだとよく言われるが、 なにも男に限ったことではなく、女性も同じだ。 だいいち、どれもこれもみんな人間が持っている ものじゃないか。ただイタリア人は率直に出すだけ。 それにしても、降りかかった災難にとっさに対応して 陽気にしてしまうイタリア人気質は素晴らしい。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-27 12:56
アマトリチャーナはスパゲッティとして日本のレストランでも出している所があるから
知っている人も多いと思う。 その発祥地のアマトリーチェはローマからそれほど遠くない山の中の村。 はじめて行った時は真冬だったのでツララが軒から地面まで下がっていた。 日本のコックさんでも尋ねて行った人が何人かいるが、本場だからさぞ美味しいだろうとの 期待に反して皆まづかったと云う。村の中のレストランではたしかにそれほどの味ではないが、 1キロばかり離れた店のは素晴らしかった。トマト味のとクリーム味のと2種類作ってくれた。 村の木こり達が山にこもって仕事をする時に食べる古い料理なのだそうで、材料も ベーコン、唐辛子、トマトといった簡単に持ち運べる程度のものだが、トマト味は 1492年にアメリカ大陸が発見された以降にトマトが新大陸から持ち込まれて来てからのもの だそうで、それ以前はクリームソースだったとのこと。 クリームは味が濃いからと最初にトマトのものを出してくれたが、どちらも素晴らしい味だった。 この店、前菜に鹿の睾丸の干したのなんかがついていて、地方料理が満喫できる。 なおクリーム味のものはこの地方の名をとってアブルッツェーゼという名前で出している 店もある。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-26 14:01
45年程前の冬の日曜日。ローマに近いスキー場のテルミニッロに行こうとして
道を迷った。午後の4時近くでお腹も空いてきたが、田舎道なのでレストランも 見当たらない。やっとのことで小さな村に入り、たまたま通りかかった農夫に 教わったレストランに行ったら、もう昼飯の時間も終わりでろくなものは できないがといって作ってくれたのが一見鷹の爪の輪切りが乗っているだけの 白いスパゲッティ。 でも口に入れたら素晴らしくおいしかった。 その頃のイタリア料理で辛いものなんてアッラビアータしかなかった。 あとはローマに一軒あったオーストリアン レストランでカレーライスを出している くらいだったから珍しがって店のおやじに色々聞いてみると、 村の猟師や炭焼きが山で夜を過ごす時に作る料理とのこと。 だから、材料も唐辛子とにんにく、オリーブ油と塩程度の簡単に持ち運びが できるもので、あとは鍋だけだと笑っていた。 料理の名前はアリオ、オリオ、ペペロンチーノ(にんにくとオリーブ油と唐辛子)と シンプルそのものだ。 作り方も教えてくれたので、それ以来我が家の定番料理の一つになっている。 最近は日本のレストランのメニューにものっていて、コックが色々と 説明してくれたりするが、講釈の多いところほど美味しくないようだ。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-25 11:01
昨日書いたスパゲッティ カルボナーラもそうだが、イタリアには
山や、人の住んでいないようなあばら家で生まれた料理が、僕の 知っているだけでも幾つかある。 バウニャ カウダはピエモンテ州あたりで、イタリア独立を目指して いた秘密結社の連中が山の中や人里離れた廃屋などで集会を 開いた時などに食べていたのが始まりだそうだ。 生の葉野菜に温めたアンチョビ(ひしこいわし)ソースをつけて 食べるだけのものだが、意外においしい。 昔は大きな鍋でアンチョビ ソースを温めながら食べていたのだ そうだ。日本で出しているレストランもあるが、ソースに入って いるオリーブ油がすぐ分離してしまう所が多い。分離を防ぐには 生クリームを少し混ぜるとよいとイタリア人に聞いたことがある。 ところでバウニャ カウダという名前。ピエモンテ地方の方言で バウニャはお風呂とか漬けるといった意味で、カウダは熱いと いうことだから、云い得て妙。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-24 17:08
涼しくなってくるとスパゲッティ カルボナーラが食べたくなる。
ローマに赴任した当時は毎晩のように食べたものだ。 今から160年ほど前、イタリア統一を目指す秘密結社の連中が 炭焼き(カルボナイオ)に変装して山の中で集会を開いた時に 作って食べたことからカルボナーラというようになったそうだ。 山の中で素人が作る料理だから簡単で、卵と粉チーズ、 それにパンチェッタ(豚の横っ腹の肉のベーコン)を 茹でたてのスパゲッティに和えたものだが、ローマでは ペコリーノ ロマーノ(羊のチーズ)も加えるから特に美味しい。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-23 18:18
もう63年間煙草を吸っている。だんだん量が増えて
今は一日45本から60本くらい。 深々と胸の奥まで吸い込む。 昔イタリアに煙草のみの童謡があった。 チッパラ パラ チッパ マッチをする音 ウパ ウパ ウーパ スパ スパ スーパ ソーノ フマトーリ 私は煙草のみ のところだけしか覚えていない。 イタリアというより、イタリア語を話すスイスのティチーノ地方の 歌だったらしい。 今やイタリアも禁煙がうるさく、バールやレストランでは 戸外でないかぎり吸えない。女性の愛煙家も多いからたいへん。 食事の合間に店先に出てきて吸うので、前の道路がさながら 大きな灰皿みたいになっているところもある。 違反者の罰金は27,50ユーロから275,00ユーロ。 妊娠している女性や12歳までの乳幼児の居る所で 吸った場合は倍額となる。 但し最近は喫煙室を設けてある店も出てきたようだ。 ■
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by pincopallino2
| 2007-10-22 11:22
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